【第III相試験 STELLARの事後解析】局所進行直腸がんに対するトータルネオアジュバントセラピー(TNT)/術前化学放射線療法施行例における骨盤内側方リンパ節転移の予後への影響
Post-hoc analysis of clinicopathological factors affecting lateral lymph node metastasis based on STELLAR study for rectal cancer.
Chen LN, Jiang J, Jiang LM, et al. Radiother Oncol. 2024 Nov;200:110512. doi: 10.1016/j.radonc.2024.110512. Epub 2024 Aug 30. PMID: 39216825.
【概要】
・STELLAR試験の事後解析において、骨盤内側方リンパ節転移は局所進行直腸がんにおいて重要な予後因子であり、特に下部直腸がん、N2病期の患者でリスクが高いことが示された
・側方リンパ節転移陽性例において、術前に短期照射と化学療法を組み合わせて行うトータルネオアジュバントセラピー(TNT)と長期化学放射線療法(CRT)の比較で生存成績に有意差はなかった
・MRI診断での骨盤内側方リンパ節転移の評価は治療戦楽において重要
【背景と目的】
・第III相ランダム化試験(STELLAR)の登録患者データに基づき、局所進行直腸がん(LARC)における骨盤内リンパ節(LPLN)転移の予後への影響を評価した
【対象と方法】
・第III相試験(STELLAR)の事後解析
・対象:
・STELLAR試験に登録された局所進行直腸がん患者591例
・治療介入:
・長期化学放射線療法(CRT)または短期放射線治療+化学療法(TNT:トータルネオアジュバントセラピー)後に手術が実施された
・MRIによる骨盤内側方リンパ節転移の診断:
・骨盤内側方リンパ節転移は、MRIにて短径7 mm以上のリンパ節と定義
【結果】
・骨盤内側方リンパ節転移陽性率:16.8%(99例)
・転移は主に片側(80%)、内調骨リンパ節転移が最多(82%)
・予後:
・骨盤内側方リンパ節転移陽性例では、無病生存(DFS)、全生存(OS)、無転移生存(MFS)が有意に不良であった。
・骨盤内側方リンパ節転移陽性 vs 陰性:
・3年無病生存率(DFS):51.4% vs 68.2%(p<0.001)
・3年全生存率(OS):71.8% vs 84.2%(p=0.006)
・3年無転移生存率(MFS):60.8% vs 80.1%(p<0.001)
・多変量解析:
・骨盤内側方リンパ節転移は、無病生存(p=0.005)、全生存(p=0.036)、無転移生存(p=0.001)の独立した予後因子
・治療法による生存成績差:
・骨盤内側方リンパ節転移陽性例において、トータルネオアジュバントセラピー(TNT)群と長期化学放射線療法(CRT)群で有意な生存成績差は認められなかった
【結論】
・MRIで確認された骨盤内側方リンパ節転移は、局所進行直腸がんの重要な予後因子で、特に下部直腸がん、N2病期、腸管膜リンパ節転移が関与する患者では特に注意が必要
【関連】