【前立腺がん】前立腺がんのオリゴ再発に対する体幹部定位放射線治療+アンドロゲン除去療法(SBRT+ADT) vs 体幹部定位放射線治療単独(SBRT)【RADIOS:第II相ランダム化試験】
ADT with SBRT versus SBRT alone for hormone-sensitive oligorecurrent prostate cancer (RADIOSA): a randomised, open-label, phase 2 clinical trial.
Marvaso G, Corrao G, Zaffaroni M, et al. Lancet Oncol. 2025 Mar;26(3):300-311. DOI: 10.1016/S1470-2045(24)00730-7. PMID: 40049196.
【背景と目的】
・転移巣が限られる前立腺がんでは、転移数に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)による臨床転帰の改善が示されている。
・本研究では、再発性の去勢感受性前立腺がんに対して、全ての転移病変に定位放射線治療(SBRT)を行う群と、定位放射線治療に短期のアンドロゲン除去療法(ADT)を併用する群で、臨床的無増悪生存(cPFS)を比較した
【対象と方法】
・第II相ランダム化試験(RADIOS試験)
・イタリア、単施設
・対象:
・前立腺がんの病理診断が得られている
・局所治療後にPSAの生化学的再発が認められる
・骨またはリンパ節の再発病変が3病変以下
・全身状態:ECOG PS 0-1
・年齢:18歳以上
・ランダム化:
・体幹部定位放射線治療単独群(SBRT単独)と短期アンドロゲン除去療法併用体幹部定位放射線治療群(SBRT+ADT)に割り付けられた
・PSAの倍化時間、転移部位(骨 vs リンパ節)、診断画像(PET vs MRI)
・介入:
・体幹部定位放射線治療(SBRT):30 Gy/3回(隔日照射)
・アンドロゲン除去療法(ADT):体幹部定位放射線治療(SBRT)開始1週前より開始
・主要評価項目:臨床的無増悪生存(cPFS)(modified intetion-to-treat解析)
【結果】
・2019年8月~2023年4月
・218例がスクリーニングされ、105例が登録
・SBRT単独群:52例、SBRT+ADT群:53例
・経過観察中に3例が脱落、各群51例が解析対象となった
・年齢(中央値):70歳
・経過観察期間(中央値):31ヶ月
・臨床的無増悪生存期間(cPFS)中央値:
・SBRT単独群:15.1ヶ月、SBRT+ADT群:32.2ヶ月
・ハザード比:0.43(95% CI: 0.26-0.72, p=0.0010)
・有害事象:
・SBRT単独群:消化器毒性(Grade 1)1例
・SBRT+ADT群:泌尿器毒性(Grade 3)1例(尿管狭窄)
・アンドロゲン除去療法(ADT)関連のGrade 1の有害事象は22件、いずれもフォローアップ時点で回復
・治療関連死の報告なし
【結論】
・RADIOS試験は、去勢感受性前立腺がんのオリゴ再発において、体幹部定位放射線治療(SBRT)に短期アンドロゲン除去療法(ADT)を併用することにより、臨床的無増悪生存(cPFS)を有意に延長させることを示した初めてのランダム化比較試験。
・ただし、身長に選択された症例では、体幹部定位放射線治療(SBRT)単独でも一定の効果が得られる可能性がある。
・今回の解析は、全身治療への早期移行を遅らせる手段として、転移巣に対する局所治療(MDT)の役割を支持するものであり、今後はアンドロゲン除去療法(ADT)の併用期間の最適化や体幹部定位放射線治療(SBRT)単独で奏効するバイオマーカーの研究が必要
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