【前立腺がん】去勢抵抗性前立腺がんのオリゴ転移:アンドロゲン除去療法+アンドロゲン受容体経路阻害薬(ARPI)単独 vs 転移巣への定位照射追加【PCS-9:第II相ランダム化試験】
Metastases-directed therapy in addition to standard systemic therapy in oligometastatic castration-resistant prostate cancer in Canada (GROUQ-PCS 9): a multicentre, open-label, randomised, phase 2 trial.
Niazi T, Saad F, Tisseverasinghe S, et al.Lancet Oncol. 2025 Sep;26(9):1158-1167. doi: 10.1016/S1470-2045(25)00351-1. PMID: 40907514.
【概要】
・去勢抵抗性前立腺がんのオリゴ転移に対するアンドロゲン除去療法+エンザルタミドによる全身療法に体幹部定位放射線治療を追加することにより、画像的な無増悪生存期間中央値は2.3年→4.6年と有意に延長(HR 0.48, p=0.014)
・定位放射線治療を追加することによる目立った毒性の増加はなく、主なGrade 3有害事象は勃起不全(Grade 4有害事象や治療関連死の発生なし)
・第II相試験での評価などの限界はあるが、転移巣に対する体幹部定位放射線治療による局所治療を追加することは妥当
【背景と目的】
・去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)のオリゴ転移(≦5病変)に対する転移巣に対する局所治療/転移指向性治療(MDT: metastasis-direct therapy)の有用性は確立されていない。
・PCS-9試験は、標準的な全身療法(アンドロゲン除去療法+エンザルタミド)に体幹部定位放射線治療を全転移病巣へ追加する意義を画像的な無増悪生存(rPFS)で検証した。
【対象と方法】
・PCS-9試験:多施設共同第II相試験
・実施施設:カナダ13施設
・対象:男性、ECOG PS 0-2、病理学的に確認された去勢抵抗性前立腺がんのオリゴ転移(≦5病変)
・無作為化:
・1:1の割合で、全身療法単独(ADT+ENZA)と定位照射併用群(ADT+ENZA+SBRT)に割り付け
・層別化:転移の部位
・評価項目:
・主要評価項目:画像評価による無増悪生存(rPFS)
・介入:
・全身療法単独群:アンドロゲン除去療法(ADT)+エンザルタミド(ENZA)
・定位照射併用群:ADT+ENZA+定位放射線治療(SBRT)
【結果】
・2016年10月18日~2023年7月31日に患者を登録
・102例が無作為化され、早期撤回例を除外し、全身療法単独群 48例、定位照射併用群 52例を解析
・年齢中央値:73際、白人:80例(80%)
・追跡期間(中央値):4.8年
・画像的な無増悪生存(rPFS)(主要評価項目)
・定位照射併用群で有意に画像的な無増悪生存期間が延長(中央値:4.6年 vs 2.3年)
・ハザード比:0.48(95% CI: 0.27-0.86, p=0.014)
・画像的な無増悪生存期間の絶対差は2.3年で、実質倍増した
・安全性:
・Grade 3の治療関連有害事象で最も頻度の高いものは勃起不全
・全身療法単独群:57%、定位照射併用群:75%
・Grade 4の有害事象、治療関連死の発生なし
・毒性プロファイルは両群間で概ね同等
【解釈】
・アンドロゲン除去療法+エンザルタミドによる全身療法に体幹部定位放射線治療を追加することにより、去勢抵抗性前立腺がんのオリゴ転移を有する患者の画像的な無増悪生存期間が有意に延長
・有効性は臨床的に意義のあるもの(延長期間:+2.3年)で、安全性も許容できるもの
【関連】