【食道がん】食道がん/食道胃接合部がんに対する術前化学放射線療法【CROSS試験:第III相試験、10年成績】
Ten-Year Outcome of Neoadjuvant Chemoradiotherapy Plus Surgery for Esophageal Cancer: The Randomized Controlled CROSS Trial.
Eyck BM, van Lanschot JJB, Hulshof MCCM, et al. J Clin Oncol. 2021 Jun 20;39(18):1995-2004. doi: 10.1200/JCO.20.03614. Epub 2021 Apr 23. PMID: 33891478.
【概要】
・食道がん/食道胃接合部がんに対するCROSSレジメンによる術前化学放射線療法の効果を検証する追跡研究が実施された
・中央追跡期間12年の結果からも、全生存の改善効果は持続していた(HR 0.70)
・10年時点での全生存率は化学放射線療法群 38%、手術単独群25%と13%の差がみられた
・術前化学放射線療法は局所再発を有意に減少させたが、遠隔再発単独のリスク低減効果は限定的であった
【背景と目的】
・CROSS試験で検証された術前化学放射線療法(CRT)は、切除可能な局所思考食道がん/食道胃接合部の標準治療となっている。
・今回の研究では、このレジメンの長期予後を評価した。
【対象と方法】
・2004年~2008年にかけて、366例の患者を術前化学放射線療法群と手術単独群に無作為に割り付けた。
・術前化学放射線療法群では週1回のカルボプラチンとパクリタキセルを5週間投与し、41.4 Gy/23回の放射線治療を同時併用した
・2018年まで追跡データを収集
【結果】
・追跡期間(中央値):147ヶ月
・手術単独群と比較して、術前化学放射線療法群で全生存期間が有意に延長した
・ハザード比:0.70(95% CI: 0.55-0.89)
・この効果は時間依存性ではなく(p=0.73)、ランドマーク解析でも10年を通じて持続することが示唆された。
・10年での絶対生存率の差は13%(38% vs 25%)
・術前化学放射線療法により食道がんによる死亡リスクは低下(HR 0.60, 95% CI: 0.46-0.80)したが、その他の原因による死亡リスクには差はみられなかった(HR 1.17, 95% CI: 0.68-1.99)
・術前化学放射線療法群で局所再発単独(HR 0.40)、局所+遠隔再発(HR 0.43)のリスクの低下がみられたが、遠隔再発単独のリスクには有意差を認めなかった(HR 0.76, 95% CI: 0.52-1.13)
【結論】
・CROSSレジメンに基づく術前化学放射線療法は、切除可能な局所進行食道がん/食道胃接合部がん患者の全生存改善効果が、少なくとも10年にわたり持続することが確認された
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