【眼付属器辺縁帯リンパ腫】眼窩付属器辺縁帯リンパ腫(MZL)に対する除菌療法の増悪/再燃に対する放射線治療【後ろ向きコホート研究】
Salvage Irradiation for Ocular Adnexal Mucosa Associated Lymphoid Tissue Lymphoma Refractory to Chlamydia psittaci Eradication.
Flospergher E, Sassone M, Chiara A, et al. Adv Radiat Oncol. 2025 Jun 6;10(9):101822. doi: 10.1016/j.adro.2025.101822. PMID: 40777000; PMCID: PMC12329519.
【概要】
・オウム病クラミジア(Cp)除菌療法後に再発した眼付属器辺縁帯リンパ腫(OAMZL)患者に対する救済放射線治療の安全性と有効性を検討
・放射線治療は高い腫瘍制御率(全奏効率:100%、完全奏効率:89%)を示し、副作用は軽微
・4年無増悪生存率は74%、局所再発はまれ(2/28例)
・初期治療で放射線治療を延期する戦略は安全で、化学療法を回避しつつ長期生存が可能
【背景と目的】
・前向き試験では、オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci, Cp)のドキシサイクリンによる除去療法後に、眼付属器辺縁帯リンパ腫(OAMZL)がおよそ3分の2の患者で縮小することが示されている。
・抗菌薬による腫瘍縮小を待つ間、標準治療である眼窩照射を延期することには懸念が伴う可能性がある。
・本研究では、オウム病クラミジア(Cp)除菌後に再発または抵抗性を示した眼付属器辺縁帯リンパ腫(OAMZL)患者における救済放射線治療の安全性と有効性を報告する。
【対象と方法】
・後ろ向きコホート研究
・対象:
・2005年~2023年に診断されたIEA期の眼付属器辺縁帯リンパ腫(OAMZL)
・初回治療としてオウム病クラミジア(Cp)除菌療法(ドキシサイクリン)を実施
・局所再発または進行
・救済治療として眼窩照射を実施
【結果】
・28例の患者が解析対象(年齢中央値:66歳、男性:16例)
・部分奏効した2例を除き、全例がドキシサイクリン治療中または治療後の病勢進行例
・放射線治療(30-36 Gy/15-18回)のに耐用性は良好
・白内障(Grade 2):3例、眼瞼炎(Grade 1):3例
・全例で腫瘍縮小を達成(100%)、完全奏効率:89%。
・放射線治療終了からの追跡期間(中央値):60ヶ月
・8例に再発を認め、照射野内からの再発は2例(7%)
・4年無増悪生存率:74%
・全体の診断からの追跡期間(中央値)96ヶ月時点で、1例を除き生存しており、22例(79%)は無病生存中。
【結論】
・オウム病クラミジア(Cp)除菌療法後に再発・進行するまで眼窩照射を延期する戦略は、限局期眼付属器辺縁帯リンパ腫(OAMZL)患者において安全かつ有効に実施可能。
・眼付属器辺縁帯リンパ腫(OAMZL)患者の大半は化学療法なしで安全に管理可能であり、再発時まで放射線治療を延期しても生存成績に悪影響は及ぼさない
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