【頭頸部がん】周術期治療へのペンブロリズマブの併用により無イベント生存が改善【KEYNOTE-689】
Neoadjuvant and Adjuvant Pembrolizumab in Locally Advanced Head and Neck Cancer.
Uppaluri R, Haddad RI, Tao Y, et al. N Engl J Med. 2025 Jul 3;393(1):37-50. DOI: 10.1056/NEJMoa2415434. Epub 2025 Jun 18. PMID: 40532178.
【背景と目的】
・局所進行頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)の治療は手術および術後放射線療法が標準であり、高リスク症例にはシスプラチン併用放射線療法が推奨されている。
・しかし治療後1年以内に1/3が再発し、5年生存率は50%未満である。
・免疫チェックポイント阻害薬であるペンブロリズマブは、転移を有する頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)の標準治療の一部であり、他のがん腫では周術期(ネオアジュバント・アジュバント)投与の有効性が示されてきた。
・本試験(KEYNOTE-689)は局所進行頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)における周術期ペンブロリズマブの有効性と安全性を検討する第3相試験。
【対象と方法】
・第III相ランダム化比較試験(KEYNOTE-689)
・対象:局所進行頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)714例
・ランダム化:
・ペンブロリズマブ群と標準治療単独群に1:1の割合でランダム化
・介入:
・ペンブロリズマブ群:標準治療(手術+術後放射線療法±シスプラチン)に加えて、ペンブロリズマブ(200 mg 3週毎)をネオアジュバント2サイクル、アジュバント15サイクル投与
・標準治療単独群:標準治療(手術+術後放射線療法±シスプラチン)のみ
・評価項目:
・主要評価項目:無イベント生存(EFS)
・副次評価項目:病理学的著効(MPR)、全生存(OS)、安全性など
【結果】
・PD-L1発現:CPS≧10が約65%、CPS≧1が約96%
・男性:79%、平均年齢:60歳
・経過観察期間(中央値):38.3ヶ月
・無イベント生存率(EFS)
・3年無イベント生存率(ペンブロリズマブ群 vs 標準治療単独群):
・CPS≧10の患者群:59.8% vs 45.9%(HR 0.66, 95% CI: 0.49-0.88, p=0.004)
・CPS≧1の患者群:58.2% vs 44.9%(HR 0.70, 95% CI: 0.55-0.89, p=0.003)
・患者全体:57.6% vs 46.4%(HR 0.73, 95% CI: 0.58-0.92, p=0.008)
・全生存(OS)
・3年全生存率(ペンブロリズマブ群 vs 標準治療単独群):
・CPS≧10の患者群:68.2% vs 59.2%(HR 0.72, 95% CI: 0.52-0.98)
・CPS≧1の患者群:69.0% vs 60.2%(HR 0.72, 95% CI: 0.56-0.94)
・患者全体:68.4% vs 61.1%(HR 0.76, 95% CI: 0.59-0.98)
・病理学的奏効:
・ペンブロリズマブ群では病理学的著効(MPR)が9.4%、病理学的完全奏効(pCR)が3.0%
・安全性:
・有害事象(Grade 3以上):ペンブロリズマブ群 44.6% vs 標準治療単独 42.9%
・免疫関連有害事象(irAE):ペンブロリズマブ群 43.2%(Grade 3以上:10.0%)
・治療関連:ペンブロリズマブ群 1.1%、標準治療単独群:0.3%
【考察】
・局所進行頭頸部扁平上皮がんにおいて、周術期のペンブロリズマブ併用は患者の無イベント生存(EFS)を有意に改善。
・ペンブロリズマブの術前投与は手術完遂率に悪影響を及ぼさず、標準治療の開始にも影響しなかった。
・安全性は概ね許容範囲内で、新たな安全性シグナルは認められなかった。
【結論】
・周術期ペンブロリズマブの追加は、局所進行頭頸部扁平上皮がんにおいて、無イベント生存を改善し、標準治療の新たな選択肢となる可能性が示唆された
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