Dose-intensified SBRT for vertebral oligometastases: results from a prospective clinical trial.
Guckenberger M, Wilke L, Billiet C, et al. Radiother Oncol. 2025 Jul;208:110940. DOI: 10.1016/j.radonc.2025.110940.110940. Epub 2025 May 14. PMID: 40378895.
【背景】
・従来の外部照射(cEBRT)は脊椎転移の疼痛緩和に用いられているが、効果の持続期間が短く、再照射が必要となる場合も少なくない。
・一方、体幹部定位放射線治療(SBRT)は高線量を腫瘍に集中的に照射することが可能で、症状緩和と長期的な局所制御が期待される。
・しかし、硬膜外浸潤や脊椎傍病変のある高リスク患者に対する有効性・安全性は不明であり、本研究はこれらの課題に対処する目的で実施された。
【対象と方法】
・対象:
・2016年~2023年に登録された128例(転移病変数:143病変)
・年齢(中央値):68歳
・原発巣:前立腺がん(42%)、乳がん(18%)、非小細胞肺がん(16%)
・介入:
・硬膜外浸潤あり:48.5 Gy/10回(通常のPTVに対しては30 Gy/10回)
・硬膜外浸潤なし:40 Gy/5回(通常のPTVに対しては20 Gy/5回)
・評価項目:
・主要評価項目:局所制御率
・副次評価項目:全生存、放射線治療関連有害事象、脊椎圧迫骨折
【結果】
・局所制御(LC):
・2年累積局所再発率:5.3%
・高線量照射内での再発は4例(2.8%)
・硬膜外浸潤病変(16%)では局所再発を認めず
・全生存(OS):
・1年全生存率:94%、2年全生存率:82%
・多変量解析では乳がん/前立腺がん以外で全生存が不良(HR 7.91, p=0.01)
・安全性:
・Grade 4以上の有害事象の発生なし
・急性期有害事象(Grade 3):5.5%
・放射線誘発制脊髄症、神経叢障害の発生なし
・脊椎圧迫骨折(VCF):
・2年:9.8%(治療前の椎体圧迫骨折:2.8%、新規の椎体圧迫骨折:5.6%)
・疼痛緩和効果:
・疼痛のある病変(54病変)でVASスコアは有意に低下
【結論】
・本試験では、高線量の分割定位放射線治療(標的内同時ブースト法)による高い局所制御率と全生存率を示し、硬膜外・脊椎傍浸潤を有する高リスク患者にも安全に施行可能であった
【関連】